海外旅行で最初に「外国」を実感する場所は、空港ではないでしょうか。
飛行機を降りた直後は、外国の雰囲気に漠然と緊張感を覚える方も多いかもしれません。私も最初のうちはアメリカに行くたびに入国審査で緊張していたことを思い出します。
ただ、入国時の手続き自体はそれほど難しいものではありません。初めてだと不安に感じるかもしれませんが、流れを知ってさえいれば落ち着いて対応できます。入国審査で聞かれる内容も大体決まっているため、しっかり準備出来ていれば問題ありません。
この記事では、国際線で到着してから、空港の外に出るまでの流れについて解説します。海外旅行に慣れていない方や、空港での手続きに不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください!
なお、この記事ではアメリカの空港を念頭に置いて解説しますが、空港の基本的な仕組み・流れは世界共通の部分も多くあります。アメリカ固有の事情については、その旨を都度明記するようにします。
出発時の空港での流れについては以下の記事で解説しています。
本記事では、空港到着後の入国審査・税関手続きの一般的な流れを解説していますが、制度や運用は国・地域・空港によって異なる場合があります。渡航にあたっては、各国政府や空港の公式情報を事前にご確認のうえ、ご自身の判断と責任で行動してください。
- 国際線到着後は入国審査→バゲージクレーム→税関→到着ロビーの順で進む
- 乗り継ぎでは国や旅程によって入国審査や荷物の扱いが異なる
- 時計は現地時刻にあわせる
- 入国審査では待たされる可能性があるので早めに列に並ぶ
- バゲージクレームでは荷物の取り間違い防止のため目印やタグ確認が有効
- 到着ロビーに出た後は、配車アプリ・レンタカー・シャトルバスなど移動手段の案内表示に従う
到着後の流れ
国際線のフライトから降りた後の流れは以下の通りです。
- 入国審査(Immigration / Passport Control)
→ パスポートや滞在目的・期間などの確認 - バゲージクレーム(Baggage Claim)
→ 預け荷物の回収 - 税関(Customs)
→ 申告が必要なものがあるかの確認
国内線の場合、入国審査や税関の手続きはありません。
また、乗り継ぎの場合、乗り継ぎ空港で入国審査があるかどうかはケースバイケースです。多くの国では、国際線間の乗り継ぎで空港の外に出ない場合は入国審査なし、国際線から国内線への乗り継ぎや、空港の外に出る場合は入国審査を受ける必要があります。
代表的な例外として、アメリカ乗り継ぎで別の国に行く場合でも、アメリカの入国審査や税関の手続きを行う必要がなります。
乗り継ぎに関しては以下の記事で詳しく解説しています。
ただし、入国審査も税関手続きも、ポイントを押さえておけば難しくはありません。ここから、それぞれのステップについて順番に詳しく見ていきましょう。
飛行機から降りたら
飛行機から降りた後ですが、最終目的地が現在いる空港の場合、国際線であれば入国審査、国内線であればバゲージクレームへ向かいます。
乗り継ぎの場合
国際線で到着して乗り継ぐ場合は、「Transfer」や「Connecting Flights」といった表示に従って進みましょう。他にも、「Flight Connections」や「Transit」という表現の場合もあります。
国内線同士の乗り継ぎであれば、通常はそのまま次の搭乗ゲートへ向かいます。
乗り継ぎする際、次の便の搭乗開始まで時間がない場合は速やかに移動しましょう。最初の便の到着ゲートと乗り継ぎ便の出発ゲートが事前にわかる場合は、あらかじめ空港内の動線をシミュレーションしておくと安心です。
なお、到着ゲートと乗り継ぎの出発ゲートでターミナルが異なる場合、トラムやモノレール、シャトルバスでの移動となる可能性もあります。
時刻の設定に注意
飛行機を降りたら、スマホや時計の時刻が現地時間になっているか確認しましょう。もし昼夜が逆転するぐらい大きく時計がズレていれば明らかにおかしいと気づけますが、1〜2時間程度のズレだと気づきにくいため注意が必要です。
特に、アメリカのように大きな国だと国内移動でもタイムゾーンが変わることがあります。このような場合、時計が正しく切り替わっていなくても違和感を覚えにくいです。
時計がズレたままだと、ツアーやレストランの予約、交通機関の利用などに影響が出る可能性があります。特にフライトや長距離電車などを逃すとかなり手痛いです。
スマートフォンの「日付と時刻」が自動設定になっていれば、現地の通信回線やWi-Fiに接続したタイミングで更新されることがほとんどです。空港であれば無料Wi-Fiがあることが多いので、早めにつないでしまうのもよいでしょう。ただし、時刻のタイムゾーンが手動設定になっている場合は自分で切り替える必要があります。
トイレを済ませる
飛行機から降りた後は一度トイレを済ませておくと安心です。特に入国審査がある場合は長時間待たされることもあるため、列に並ぶ前に済ませておくのが無難です。
また、預け荷物がある場合は荷物を回収する前の方が身軽ですし、到着ゲート近くのトイレは出発エリアに比べると比較的空いている印象です。
もちろん空港内であればトイレは比較的どこでも見つけられますが、飛行機から降りた直後に行っておくことをオススメします。
入国審査
到着後は案内表示に従って速やかにレーンへ向かいましょう。特に、国際線の到着便が多い空港や時間帯だと1時間以上待たされることもあり得ます。
入国審査のレーンは、その国のパスポート保持者と外国人で分かれているのが一般的です。空港によってはEUやASEANといった地域毎に分かれている場合もあります。どの列に並べばよいかわからない場合は、係員にパスポートを見せれば案内してもらえます。
列に並んだら、パスポートを準備して待ちます。もし審査時の想定質問の回答についてメモを用意していればあわせて用意しておきましょう。一部の国では入国カードへの記入・提出が必要な場合もあります。
自分の番になったら入国審査官のいるカウンターへ行きます。まずはパスポートを渡して、その後は指示に従いましょう。
アメリカを含む多くの国では、審査の過程で滞在目的などについて質問を受けます。審査で主に聞かれる内容は以下の通りです。簡潔に回答しましょう。
- 滞在目的
- 滞在先の都市
- 滞在期間
- 帰国日・帰国便
所持品について質問されることもあります。詳細はこの後の「税関」のセクションで触れますが、特に肉・野菜・果物などの食品類や多額の現金の持ち込みについて確認されることがあります。
指紋の採取や顔写真の撮影がある場合もありますので、審査官の指示に従いましょう。
なお、アメリカに観光や出張の目的で短期滞在する場合は、入国前にESTAという電子申請を済ませておく必要があります。ESTAの詳細については以下の記事をご覧ください。
特にアメリカの入国審査では、不法就労の可能性がないかという観点でも確認されます。単なる出張で来たのに「働きに来た」と言うと誤解を招く可能性があるので注意しましょう。滞在目的を「business trip」と伝えると、雇用先や出張目的についても聞かれることが多いので、そこできちんと答えられれば問題ありません。
バゲージクレーム
預け荷物を受け取る場所をバゲージクレーム(手荷物受取所)と呼びます。
預け荷物はコンベアに載せられて室内に運ばれ、同じ場所を回り続けます。この装置をターンテーブル(英語ではBaggage Carousel)と言います。
空港には複数のターンテーブルがあり、便ごとに割り当てられています。モニターなどで自分の便の番号を確認し、対応するターンテーブルの近くで待ちましょう。
自分の荷物が出てきたら、ターンテーブルから下ろしてそのまま持っていって問題ありません。預けるときと異なり引き取り時の特別な手続きはありません。
荷物はターンテーブル上を回り続けるため慌てる必要はありませんが、他の人が間違えて持っていく可能性もあるため、見つけたら早めに回収する方が安心です。
荷物の取り間違いに注意
バゲージクレームでは荷物引き取り時の手続きが特に無いため、荷物の取り間違いに注意しましょう。
まず、自分の荷物と間違えて他の人の荷物を持っていかないように注意しましょう。自分の荷物かどうか判別しづらい場合、預け荷物のタグの情報で照合すれば確実です。
また、それとは逆に、別の人が自分の荷物と勘違いして持っていってしまう可能性もあります。こうしたことを防ぐために、出てきた荷物はできる限り速やかに回収したほうがよいです。
取り違い防止のため、スーツケースにはベルトやステッカーなど目印を付けておくと安心です。特に、大手メーカーで黒やメタリックなど定番色のスーツケースだと見分けづらいため、以下のようなベルトをつけておくと判別しやすくなるのでオススメです。
税関
入国審査を終えると税関の手続きに進みます。
税関申告というと、飛行機内で申告書をもらって記入し、空港の職員に提出するイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、最近では先進国を中心にオンラインでの事前申告も一般的になってきています。
オンラインで申告した場合、空港の税関ではパスポートの提示か、申告時に発行されたQRコードの読み取りで手続きが完了するケースが多いです。
税関の主な目的は、持ち込みが制限されている物品や課税対象となる物品を確認することですが、原則は自己申告制のため、問題がなければそのまま通過できるケースがほとんどです。
一般の旅行客が持ち込む可能性のあるものだと、以下については注意が必要です。
- 肉・野菜・果物などの食品類
- 酒・タバコなどの嗜好品
- 一定額以上の現金
- 売買目的の物品
これらは国によって持ち込めなかったり、関税が課される場合があります。制限内容は国によって異なるため、渡航前に公式情報を一通り確認しておきましょう。
なお、アメリカでは税関通過時だけでなく、受け取り前の預け荷物がランダムで開封検査されることがあります。持ち込み不可のものが見つかった場合、その場で廃棄や没収となることがあります。
私の知人の話です。日本のカップラーメンをアメリカに持ち込もうと預け荷物のスーツケースに入れていたのですが、現地に到着後、確認してみると無くなっていたとのことでした。アメリカでは肉類だけでなく、肉エキス入りの食品の持ち込みも制限されています。肉エキス入りのカップラーメンが没収されたという話はよく聞ききます。
到着ロビーからの移動
税関申告が済んだ後は到着ロビーへ向かいましょう。
税関エリアを通過すると、ゲートや係員が監視をしているポイントがあります。一度出てしまうと原則として到着エリアには戻れないので注意しましょう。
現地通貨が必要な場合は、空港の両替所やATMで用意してもよいでしょう。ただし、空港の両替所はレートが割高なことが多いため、少額に留めるのが無難です。ATMを利用する場合も、手数料や為替レートの条件を確認しましょう。なお、アメリカのようにカード決済が一般的な国では、現金がほぼ不要な場合もあります。
出口まで来たら、予定していた移動手段に応じた場所に向かいましょう。代表的な英語の案内表記の意味は以下の通りです。
- Ground Transportation : 電車、バスなど
- Ride Share Pickup / Ride App Pickup / Uber / Lyft : 配車アプリ
- Rental Car Counter : レンタカーカウンター
- Taxi : タクシー
空港によっては、これらの場所に行くにも専用のシャトルバスを使う必要があります。表示をきちんと確認するか、見つからない場合は空港のスタッフに確認しましょう。空港内の施設間を移動するシャトルバスであれば通常無料で乗れます。
アメリカのレンタカーカウンターは、空港の営業所であってもターミナルから少し離れた場所にあることが多いです。場合によっては、専用のシャトルバスで空港の敷地外まで移動する必要があります。配車アプリの送迎エリアはターミナルを出てすぐのことが多いですが、ロサンゼルスの空港(LAX)ではこちらもシャトルバスで移動する必要がありました。
なお、アメリカではタクシーよりも配車アプリの利用が一般的になってきています。また、空港や時間帯によっては待機しているタクシーが少ない場合もあります。配車アプリであれば、送迎場所や目的地への到着時間の目安がわかりますし、通常はアプリで事前に表示された料金が請求されるため安心です。
配車アプリの使い方については以下の記事で解説しています。
レンタカー受付でのコミュニケーション方法は以下で解説しています。
まとめ
この記事では、フライト到着後の空港での基本的な流れについて解説してきました。
長距離フライトで疲れている中、入国審査や税関の手続きは億劫に感じますが、しっかりとポイントを抑えておけば案外あっさりと終わるものです。
入国審査に不安がある場合は、想定される質問への回答をあらかじめ整理しておくと安心です。
本記事が、気持ちのよい旅のスタートを切る一助になれば幸いです!







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