海外旅行で「乗り継ぎ」と聞くと、手続きがよくわからなかったり、乗り継ぎに失敗するリスクを不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
実際、乗り継ぎはパターンによって流れが大きく変わるため、何となくの理解のままだと戸惑う場面も少なくありません。
乗り継ぎ便を選択する場合は、当日どのような流れになるかをイメージした上で、乗り継ぎ時間に余裕のある便を選ぶことが重要です。
この記事では、乗り継ぎの基本的な考え方から、乗り継ぎ時間の目安、入国審査・税関のタイミング、当日の流れまでを体系的に解説します。
初めての海外旅行で乗り継ぎがある方や、乗り継ぎに不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください!
なお、出発・到着時の空港での流れについては以下の記事で解説しています。
本記事では、乗り継ぎ時の入国審査や税関手続きに関する一般的なルールを解説していますが、制度や運用は国・地域・空港によって異なる場合があります。渡航にあたっては、航空会社や各国政府・空港の公式情報を事前にご確認のうえ、ご自身の判断と責任で行動してください。
- 乗り継ぎは「同一予約」と「自己乗り継ぎ」で扱いが大きく異なる
- 乗り継ぎ時間は入国審査・税関の有無とターミナル移動の有無を基準に判断する
- アメリカでの乗り継ぎは必ず入国審査・税関が必要
- 搭乗券や預け荷物の扱いは予約内容によって異なるため確認が重要
- 乗り継ぎ空港では案内表示に従い、ゲート変更と時刻に注意する
乗り継ぎとは?
「乗り継ぎ」とは、「フライトで到着した先でまた別のフライトに乗ること」を指します。
一般的には、「複数のフライトが1つの予約としてまとめて手配されている」ケースを指すことが多いです。
例えば、都市Aから都市Bへ移動するのに、「都市A→都市C」と「都市C→都市B」の2つのフライトを利用するとします。この2つのフライトを1つの予約でまとめて手配した場合を指すことが一般的です。
「都市A→都市C」と「都市C→都市B」のフライトを別で予約した場合は、「自己乗り継ぎ」と呼びます。

一般的な乗り継ぎと比べると、自己乗り継ぎには以下のデメリットがあります。
- 遅延による乗り継ぎ失敗があっても補償されない
- 乗り継ぎ空港での手続きが増える場合がある
なお、Skyscannerなどのサイトでも、自己乗り継ぎのフライトが表示される場合があります。自己乗り継ぎがダメということではないですが、一般的な乗り継ぎとの違いを理解した上で利用するようにしましょう。ここからは、前者の「一般的な乗り継ぎ」を前提に解説します。
乗り継ぎのパターンは、国内線・国際線の違いや、乗り継ぎ国への入国の要否、空港内で完結するかどうかなどによって大きく変わります。
そのため、「どの乗り継ぎでも同じ」と考えるのではなく、自分の乗り継ぎがどのパターンに当てはまるのかを把握することが重要です。
その乗り継ぎは大丈夫?|乗り継ぎ時間の目安と判断ポイント
フライトを選ぶ際、乗り継ぎ便も候補にある場合は、価格や所要時間だけでなく乗り継ぎのしやすさも考慮して選んだ方がよいでしょう。
特に、乗り継ぎ時間(乗り継ぎ空港に到着してから次の便の出発までの時間)が短い場合、飛行機の到着が遅れるなど、状況によっては乗り継ぎ便に乗れないリスクが出てきます。
乗り継ぎに必要な時間に関しては、私は以下のように考えています。
※別の空港への移動して乗り継ぐ場合、移動時間がかかる他、搭乗手続きをイチからやり直すイメージとなります。通常の乗り継ぎとは別物と考え、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
入国審査・税関の有無は、乗り継ぎのパターンによって異なります。次の章で詳しく解説します。
上記を踏まえると、多くのケースでは乗り継ぎ時間は2時間半〜3時間程度が目安となります。
なお、フライトが「乗り継ぎ」として1つの予約にまとめて手配されている場合、航空会社は最終目的地まで運ぶ責任を負います。そのため、万が一乗り継ぎに間に合わなかった場合でも、通常は航空会社が次の便への振り替えなどの対応を行います。
とはいえ、きちんと乗り継ぎできるに越したことはありませんので、最初から乗り継ぎ時間に余裕がある便を選ぶことをオススメします。
なお、航空会社や空港には「最短乗り継ぎ時間(MCT:Minimum Connection Time)」という基準があり、その空港で乗り継ぎが可能とされる最低限の時間が定められています。実際に航空券を検索した際に表示される乗り継ぎ便は、このMCTを満たすように設定されています。ただし、MCTはあくまで「理論上乗り継ぎ可能な最短時間」であり、飛行機の遅延や入国審査の混雑などは考慮されていません。そのため、実際にはMCTギリギリではなく、余裕を持った乗り継ぎ時間を確保することが重要です。
乗り継ぎパターン別|手続きタイミングの違い
入国審査や税関のタイミングは、乗り継ぎのパターンによって変わります。
以下が主要なパターンをまとめたものになります。
もちろん、国・航空会社・乗り継ぎパターンによっては他にも例外がある可能性があります。自分のフライトがどのパターンなのか不明な場合は、日本出発時に空港のチェックインカウンターで確認するのが確実です。
なお、上記パターンに関係なく、乗り継ぎ国で空港の外に出る場合は入国審査を受ける必要があります。
以降、各パターンの詳細を見ていきます。
入国審査・税関のタイミングの原則
入国審査や税関の手続きは原則として「最終目的地の国に最初に入国する空港」で実施します。
例えば、東京→ソウル(韓国)→バンコク(タイ)の場合、「最終目的地の国」はタイなので、バンコクの空港で入国審査・税関を行います。ソウルでは空港の外に出ない限り入国審査や税関はありません。
一方、東京→シドニー(オーストラリア)→メルボルン(オーストラリア)の場合、「最終目的地の国」はオーストラリアなので、最初にオーストラリアに入国するシドニーの空港で入国審査・税関を行います。税関は預け荷物を受け取った後に行うため、シドニーで一旦荷物を受け取り、税関を済ませた後、再度預け直す流れとなります。
乗り継ぎが1回の場合、国際線→国際線であれば最終目的地の空港で、国際線→国内線であれば乗り継ぎ空港で、入国審査と税関を行うと覚えておきましょう。
ただし、これはあくまで原則で、国によっては例外もあります。この原則に当てはまらない代表的な例外パターンを3つ見ていきましょう。
例外1:シェンゲン圏
シェンゲン協定を結んでいるヨーロッパの国々は、1つの国(シェンゲン圏)と考えて先ほどの原則にあてはめます。
例えば、東京→フランクフルト(ドイツ)→パリ(フランス)のケースを考えます。
ドイツもフランスもシェンゲン圏内の国です。よって、「最終目的地の国」はフランスではなく「シェンゲン圏」と考えます。すると、「シェンゲン圏」に最初に入るのはフランクフルトなので、入国審査はフランクフルトで受ける必要があります。
一方、預け荷物はフランクフルトで降ろされず直接パリまで運ばれるため、税関の手続きはパリで行います。
なお、シェンゲン圏で乗り継いでシェンゲン圏外に行く場合、通常の国際線乗り継ぎと同じ扱い(最終目的地で入国手続き)となります。
シェンゲン協定はヨーロッパの国の間で結ばれた協定で、締結国間であれば自由に移動することができます。締結国はEU加盟国とほぼ重なりますが一部異なります。例えば、2026年現在スイスやノルウェーはEU非加盟国ですが、シェンゲン協定締結国です。また、イギリス・アイルランドは非締結国なのでシェンゲン圏外です。
例外2:アメリカで乗り継ぐ場合
アメリカで乗り継ぐ場合、乗り継ぎだけでもアメリカに入国する必要があるため、入国審査と税関を行う必要があります。
例えば、東京→ニューヨーク(アメリカ)→サンパウロ(ブラジル)の場合、アメリカは乗り継ぐだけですが、ニューヨークでも入国審査・税関を行う必要があります。預け荷物があれば一旦受け取り、税関を済ませた後、再度預け直す流れとなります。もちろん、それとは別に、サンパウロではブラジル側の入国審査・税関があります。
また、入国審査を受けるため、事前にESTAの申請も必要になります。ESTAについては後述します。
アメリカについては、乗り継ぎの有無にかかわらず、「アメリカ行きの便に乗ったら、行った先の空港で必ずアメリカの入国審査と税関がある」と覚えておくのがわかりやすいでしょう。
実際の乗り継ぎの流れ
ここからは、実際に乗り継ぎ便に乗るまでの流れを見ていきます。
渡航申請(ESTA・eTAなど)
世界的には、乗り継ぎでその国を経由するだけでも、ビザやトランジットビザが必要になる場合があります。
日本のパスポートがあれば、多くの国でビザは不要ですが、国によっては事前の渡航申請(電子認証)が必要な場合があります。
代表例としては、アメリカのESTAやカナダのeTAがあり、これらは乗り継ぎで訪れる場合でも事前の申請が必要です。
いずれも簡易な手続きで、短時間で認証されることが多いですが、審査に時間がかかる場合もあるため、渡航が決まった段階で早めに申請しておくのがおすすめです。
ESTAについては以下の記事にて詳細を解説します。
搭乗券の発行と預け荷物について
最初の便に乗る際の手続きは、乗り継ぎがあっても基本的には通常のフライトと変わりません。
同一予約の乗り継ぎであれば、チェックイン時に乗り継ぎ便を含めた搭乗券がまとめて発行されるのが一般的です。
注意点として、運航会社(実際にフライトを運航する航空会社)が区間ごとに異なる場合、電子搭乗券は各航空会社のアプリでの発券になる場合があります。
例えば、最初の区間の運航会社がANA、乗り継ぎ便がUnitedの場合、電子搭乗券もそれぞれANAとUnitedのアプリで個別に発券が必要となる場合があります。
もし複数航空会社のアプリを入れたくない場合や、電子搭乗券の発券方法がわからない場合、空港で紙の搭乗券を発行するのが確実です。紙の搭乗券であれば全区間分まとめて発券されるのが一般的です。
預け荷物については、最終目的地での受け取りとなるか、乗り継ぎ空港で一度受け取って預け直す必要があるかは、乗り継ぎのパターンによって異なります。荷物を預ける際に、最終受取地を確認しておきましょう。
乗り継ぎ空港での流れ
乗り継ぎ空港到着後は、「Transfer」や「Connecting Flights」の表示に従って進みましょう。国によっては「Flight Connections」や「Transit」という表示の場合もあります。
入国審査や税関がある場合はまず済ませましょう。特に、入国審査は長時間待たされる可能性があります。入国審査と税関の流れについては以下の記事で解説しています。
多くの空港では、乗り継ぎの際にも保安検査を再度受ける必要がありますが、空港や乗り継ぎルートによっては不要な場合もあります。
必要な手続きが済んだら、乗り継ぎ便の出発ゲートへ向かいましょう。なお、ゲートが変わっている可能性があるので、必ず到着時点での最新情報を確認しましょう。
航空会社のアプリを入れていれば通知が来ますが、空港の案内板を確認するのも手っ取り早いです。
実際にあった例です。日本からワシントンD.C.経由でアメリカ国内線に乗り継ぐ際、乗り継ぎ時間が1時間半とタイトな中でターミナル移動を伴うゲート変更に気づかず、変更前のゲートに行ってしまい、結局乗り継ぎできなかったことがありました。乗り継ぎ時間を長めにとっておくことも大事ですが、ゲート変更の確認も重要です。
また、スマホや時計の時刻が現地時間になっているか必ず確認しておきましょう。時刻の認識がずれていると、乗り継ぎ便に乗り遅れる原因になります。
まとめ
乗り継ぎで重要なのは、「時間に余裕のあるフライトを選ぶこと」と「乗り継ぎの流れを事前に把握しておくこと」です。
入国審査や税関の有無、荷物の扱いは乗り継ぎによって異なります。事前に確認しておくことで安心して乗り継ぐことができます。
本記事が、快適な海外旅行の一助になれば幸いです!




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