アメリカにチップの文化があることはご存知の方も多いと思います。
特に、レストランはチップの支払いが必要となる典型ですが、会計の流れが日本と少し異なるため、最初は戸惑う方も多いと思います。
また、チップの仕組みがよくわかっていないと、払いすぎてしまったり、払う必要がないところで払ってしまう可能性もあります。
この記事では、アメリカのレストランにおける会計の流れと、チップに関する基礎知識・注意点をわかりやすく解説します。
アメリカに旅行する予定のある方は、ぜひ参考にしてみてください!
なお、アメリカのレストランの利用時に知っておきたいポイントは以下の記事で解説しています。
- アメリカのレストランではテーブル会計が一般的
- 会計は伝票確認→カード/現金を渡す→チップの額を記入してサインという流れで行う
- テーブルサービスを受けた場合は課税前金額の18〜20%程度のチップを支払うのが一般的
- ファストフード店などカウンター会計の場合は基本的にチップは不要
- サービス料(Service Charge / Gratuity)が含まれている場合は追加チップ不要
- レシートのチップ目安金額は信用し過ぎない
会計の流れ
ここではアメリカのレストランにおける会計の流れを確認していきましょう。
まずは典型的な例として、レストランでのテーブル会計について一連の流れを見ていきます。全体の大まかな流れとしては以下の通りです。
- 担当サーバーに会計伝票(check)をもらう
- 内容に誤りがないかを確認する
- カードか現金を担当サーバーに渡す
- レシートにチップの金額(20%が目安)を記入してサイン or チップ分の現金を置いておく
最初にカード払い時の流れを時系列順に確認した後、現金払いやレジ会計の場合について補足したいと思います。
注文内容の確認
食事が済んで会計をする際は、自分の担当のサーバーに「Check, please.」と伝えましょう。
複数人で来ている場合、「Separate or together?」と聞かれることがあります。これは、各人個別会計がよいか一括会計がよいか、という意味です。個別であれば「Separate」、一括であれば「Together」と伝えましょう。個別会計がよければ最初から「Separate check, please.」と伝えるとスムーズです。
会計をお願いすると、まずは支払金額が書かれた会計伝票(check)を渡されます。大抵は伝票用のバインダーに挟まれた状態で渡されます。個別会計にした場合は、全員にそれぞれ渡されます。
伝票には、各注文の金額や税額、席料などが記載されています。注文したものがすべて来ているか、内容に誤りがないかを確認します。来ていないものがあれば、担当サーバーに伝えてキャンセルしてもらいましょう。
伝票の内容に問題がなければ、伝票にカードを添えてテーブルに置いて待ちましょう。しばらくすると担当サーバーが伝票とカードを一旦回収します。
支払額の確定
その後、担当サーバーから伝票とカードが返却され、同時にレシートとペンが渡されます。以下はレシートのフォーマットのイメージです。

レシートは1枚だけの場合もありますが、全く同内容の「Merchant Copy」と「Customer Copy」の2部渡されることが多いです。チップを含めた支払金額の記入やサインは「Merchant Copy」の方にします。「Customer Copy」は客用の控えなので記入不要です。
チップについては後ほど詳しく解説しますが、目安として課税前の金額の20%程度を払っておけば間違いはないと思います。例えば、課税前の支払金額が$50であれば、チップは20%の$10が目安となります。端数はキリのよい金額に丸めてしまって問題ありません。
また、「チップの金額」と「チップを含めた支払総額」の両方書く欄があるのが普通です。面倒ですが両方記入するようにしましょう。改ざん防止になります。
「Merchant Copy」の方にチップ額・支払総額を記入しサインしたら、そのレシートを置いてそのまま退店して大丈夫です。
カードの情報は既に店側に伝わっているので、後でレシートを担当サーバーが回収し、記入された金額に従って決済処理を行います。会計伝票や「Customer Copy」のレシートは持って帰って大丈夫です。
カードを一旦店側に預けるので不安に思うかもしれませんが、カジュアルなレストランでもこの方式が一般的です。
チップの金額計算は概算でも問題ありません。例えば、20%は5分の1なので、5で割って端数を丸めてしまうとラクです。例えば、$43であれば5で割ると$8.6なので、$8か$9払うようなイメージです。
現金払いの場合
現金払いの場合、会計伝票をもらって内容を確認した後、カードの代わりに現金を伝票と一緒に渡しましょう。
もしチップ込みの金額をちょうど渡せる場合、その金額をバインダーに挟んで担当サーバーに渡し、「No change. / おつりはいりません」と言えば会計完了です。
ちょうどの金額がない場合、チップ込みの金額以上の額を一旦渡せばおつりが返ってきます。そのおつりからチップ分をテーブルに置いてそのまま退店して大丈夫です。
例えば、$30の支払いに対して$6のチップを加算し、合計で$36を支払いたいとします。しかし、手元に20ドル紙幣が2枚しかない場合、まずその$40を担当サーバーに渡します。すると、1ドル紙幣など細かい紙幣で$10がおつりとして返ってきますので、そこから、$4だけ回収し、$6は置いて店を出る、という流れになります。
レジ払いの場合
ファストフード店などレジカウンターでの会計であれば、流れは日本とほぼ同様です。アメリカは圧倒的にカード社会ですので、カードを渡すだけで問題ありません。
注意点として、チップの支払いが必要とされるのは、着席してサーバーによるテーブルサービスを受けた場合のみです。よって、ファストフード店のように、カウンターで注文・会計して、自分で料理を取りに行く場合、チップの支払いは不要です。
迷うケースとして、レジでカード決済した際、タッチパネル上にサインすることがあります。この時、画面上にチップを選択するボタンが表示されることがあります。この場合、テーブルサービスを受けていないのであれば「No Tip」を選択して問題ありません。
チップについて
ここからは、チップを支払う背景や理由について解説します。
元々は、なんらかのサービスを受けた時に感謝を示すために渡すお金がチップでした。ただ、現代におけるチップは、単なる習慣を超えて制度として確立しており、サーバーを始めとした一部の職種ではチップがあることが前提の報酬体系になっています。
報酬体系について、例えば、受付や調理担当であれば単純な時給制ですが、サーバーは時間給が低く抑えられている一方で、自分が担当した客からのチップがサーバー本人の主な収入源になります。
あくまでイメージですが、時給は調理担当が$20、サーバーが$5というぐらい差があります。サーバーはこの時間給に、自分が担当した客のチップをプラスしたものが報酬の総額となります。
これで、もしサーバーがチップをもらえなかったらどうなるでしょうか?他の職種が時給$20を得ているところ、サーバーは$5しか得られないわけですから、生活が成り立たないレベルで厳しいことは想像に難くないです。
厳密には、サーバーがチップを十分に得られていない場合、法律で定められた最低時給まで店側が補填する義務がありますが、いずれにせよ、それだけで生活できるほど十分な報酬とは言えません。
このような背景から、原則としてチップを支払うのが一般的です。具体的な額はアメリカ人の間でも意見が割れるところですが、課税前の金額の18~20%程度が相場です。
もちろん、「チップを払う」という前提がある上で、担当サーバーのサービスの質に応じてチップの額を上下させるのは問題ありません。特別に配慮してくれたのであれば少し上げて22%にするとか、逆に、長く放置された、愛想が悪かった等あれば少なめの15%にする、といった感じです。
ただし、長く待たされたり、アピールしても気づいてもらえなかったりするのは、シンプルに多忙なのが原因でサーバー個人の問題とも言えないことが多いです。日本の飲食店のサービスレベルを期待すると肩透かしを食らうかもしれません。
個人的には、文化の違いと割り切り、「郷に入っては郷に従えの精神」で20%程度支払っておくのが一番ラクなのではないかと思います。
チップに関する注意点
ここからはチップに関して特に注意したい点を見ていきましょう。
チップの支払いが不要なケース
レストランでもチップを支払わなくてよいケースがあります。
まず、さっきも触れた通り、チップの支払いが必要となるのはサーバーによるサービスを受けた場合のみです。ファストフード店では基本的に支払う必要はありません。
また、客の人数が一定数以上だったり、観光地のレストランだと、サービス料(Service Charge / Gratuity)がデフォルトでチャージされていることがあります。その場合、サービス料がチップに相当するので、追加でチップを払う必要はありません。
ややこしいのは、サービス料が上乗せされている場合でも、レシート上にはチップの記入欄が印字されていることが多い点です。
もちろん、サービスが特によかった場合など、自発的にチップを追加・上乗せするのであればよいのですが、なんとなくの雰囲気で余計なチップを払わないように注意しましょう。
レシート上のチップ目安金額に注意
また、レシート上にはチップの金額の目安が印字されていることも多いです。以下はレシート上の「Suggested Tip」の部分のイメージです。

自分で計算する必要がないので楽ですし、大体はその金額を参考にして問題ないのですが、鵜呑みにせず妥当な金額かどうかは自分自身でも概算して確認しましょう。
システムで自動計算されているはずなので信用してよさそうに見えますが、以下の理由により印字されている金額が妥当でない場合があります。
- サービス料が既に上乗せされていてチップの支払いがそもそも不要(先述)
- 割り勘(Split)なのにチップの目安金額は割り勘前の金額ベースで計算されている
- 計算のベースが課税前金額ではなく課税後金額になっている
これらは、意図的というよりもシステム仕様や単純ミスによることが多いです。また、店側としてもあくまで「目安」として表示しているだけなので、わざわざミスだと指摘するようなものでもないです。
旅行客からすると煩雑に感じますが、特に会計が高額な場合のチップは自分自身でも計算した方がよいでしょう。
まとめ
この記事では、アメリカのレストランにおける会計の流れと、チップに関する基礎知識・注意点を解説しました。
特にチップは日本にない慣習なので難しく感じるかもしれませんが、「席についてサーバーが接客してくれたら課税前の金額に対して20%払う」、「それ以外のファストフード店や、元々サービス料が上乗せされている場合はチップ不要」とだけ覚えておけば問題ないでしょう。
本記事がレストランでのスムーズな会計に役立てば幸いです!



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